ミュオンでふわふわした有機体の内部磁場を探ろう! | |
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有機磁性の研究は、ミュオンばかりでなくいろいろな方法で行われてきました。
ただし、分子量が大きく磁化率の小さい物質では、精密な磁性の変化を観測するのが
困難な物質が多く存在します。
ミュオンによる磁性研究は、比較的最近行われるようになった来たもので、
これからの発展がとくに期待される分野です。以下に、最近とられた
有機磁性体中でのミュオン回転のシグナルの例を示します。
1度以下のわずかな温度変化で、「ミュオンが回転してうねるような信号を出す状態」から、
「いろいろな方向を向いている原子核のスピンを感じて、最初は揃っていたミュオンの向きが
時間によってばらけ、信号が静かに変化する状態」へと変化する様子を捕らえています。