ミュオンスピン回転法(μSR法)は、物質内部の磁場を手にとるように探る 極めて有効な手段です。ミュオンは、生まれながらにして小さな磁石の 性質を持ち、それが壊れる時には磁石のN極の方向に電子(または陽電子) を放出します。この磁石は、磁場に垂直に回転するという性質を持っていて、 その回転速度は磁場の大きさに比例します。ですから、ミュオンが止まった 近傍の磁場がどうなっているかを直接的に観測できる手段となります。