ミュオンスピン回転法による物質内部磁場の研究
LOGO ミュオンが止まった場所の磁場は?

Experimental Method

ミュオンスピン回転法(μSR法)は、物質内部の磁場を手にとるように探る 極めて有効な手段です。ミュオンは、生まれながらにして小さな磁石の 性質を持ち、それが壊れる時には磁石のN極の方向に電子(または陽電子) を放出します。この磁石は、磁場に垂直に回転するという性質を持っていて、 その回転速度は磁場の大きさに比例します。ですから、ミュオンが止まった 近傍の磁場がどうなっているかを直接的に観測できる手段となります。

最も簡単にミュオンの回転を測定する手段は、ミュオンが持つ磁石の前方後方に 検出器を配置し、それが数える電子(陽電子)の比をとることです。測定には、 外部磁場や資料の温度を変化させ、図のような検出器で測定を行っています。 最近では、振動磁場を与えることによりミュオンを強制振動させたり、さらに 資料に超高圧をかけて、これまで測定されていなかった領域の物性の研究や 有機磁性体などのその他の方法では測定の難しい先端的な研究が行われています。