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*** 理研ミニワークショップのご案内 ***
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核物理コミュニティのみなさま、素粒子論グループのみなさま、

7月17日に、理研仁科センターにおいて、ミニワークショップ
「不安定核・ストレンジハドロン原子核の合同理論研究会
─── 軽いエキゾチック系の構造を中心として ───」
を開催いたします。

軽いエキゾチックな原子核ハドロン系を中心として、
不安定核、ハイパー核、K中間子原子核、格子QCDの
各分野の最新の成果を持ちより、互いに議論を交わすことにより、
特に、理研RIBFやJ-PARCなどで将来行われる実験をふまえた、
今後の原子核ハドロン研究の新しい流れを探っていこうという
趣旨のもとに企画いたしました。

何人かの方に招待講演として、これまでの研究の成果と、
今後の研究の発展の方向性や、今後克服するべき重要な課題は
なんであるかについてお話していたく予定です。その上で、
参加者のみなさまに、質疑応答の時間に、各講演、各テーマに関連した、
議論をして頂ければと考えています。

みなさまのご参加をお待ちいたしております。

また、当日は、同じ会場において、13:30より、
畑中氏(核物理研究センター)による理研仁科センター月例コロキウムも
開かれますので、併せてご案内いたします。
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第24回 理研仁科センター月例コロキウム
講演者: 畑中 吉治 氏 (核物理研究センター)
講演題目: RCNPサイクロトロン施設での物理
開催日時: 7月17日(火) 13:30〜
開催場所: 理化学研究所 仁科ホール
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※月例コロキウム開催時間中は、ミニワークショップは休憩いたしますので、
両方にご参加頂けます。
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理研RIBFミニワークショップ
「不安定核・ストレンジハドロン原子核の合同理論研究会
─── 軽いエキゾチック系の構造を中心として ───」
開催日時: 7月17日(火曜日), 9:30 〜 18:00
開催場所: 理化学研究所 仁科ホール
開催の目的・趣旨:
	日本における原子核物理の研究拠点として、仁科加速器研究センター
	においてRIBF(主に不安定核ビームを利用)の準備が進んでおり、また、
	茨城県東海村ではJ-PARC(主にK(π)中間子ビームを利用)の建設が進
	んでいる。

	これらの実験施設で展開される、不安定核やハイパー核の各研究では、
	アイソスピンおよびストレンジネスの拡張されたエキゾチックな系で
	あり、弱結合系としての共通点が存在し、研究手法にも類似性が多い。

	また、K中間子原子核の研究では、中性子星の内部で実現されている
	と考えられるような高密度状態が、地上の実験室で再現できている可
	能性が、これまでに培われた核力や核構造の理解に基づいて、議論さ
	れている。現在も、実験データの解釈、および基本となる相互作用や
	高密度状態の構造を正確に解くための計算方法などについて、活発な
	議論がくり返されている。

	最近、格子QCDシミュレーションに基づいて、核力を第一原理から
	導く研究が、大きく進展しつつある。こういった研究は、とりわけ、
	散乱実験データが限られているために、不定性の大きなハイペロンポ
	テンシャルを使って構造研究を進めざるをえなかったハイパー核分野
	にとって、今後の非常に重要かつ新しい研究手法となると期待されて
	いる。

	本研究会の大きな目的は、こういった、不安定核、ハイパー核、K中
	間子原子核、格子QCDシミュレーションなどの多彩な分野において、
	活発に進められている理論の研究の成果を持ち寄り、互いに議論を重
	ねることにより、これらの実験施設で計画されている将来の実験との
	緊密な協力関係のもとに、今後の原子核ハドロンの理論研究をさらに
	発展させ、アイソスピンやストレンジネスの拡張された領域をも含め
	た、核力および核構造のより深い理解へとつなげることである。より
	具体的なテーマとしては、

	◎不安定核の研究で用いられている手法のハイパー核への応用(例え
	 ば、複素スケーリング法によるΞハイパー核の研究、中性子過剰核
	 で 発達した分子軌道法、原子価結合法などの適用)
	◎不安定核とハイパー核を融合した新たな研究領域の開拓(例えば、
	 中性子過剰ハイパー系におけるアルファクラスターと余剰ハイペロ
	 ン、中性子の一粒子軌道の結合状態の探求、またその観測の可能性
	 について、どのような実験が可能であるかなど)
	◎QCDに直接基づいた核力の研究から、核構造研究、とりわけ不安定
	 核、ハイパー核、K中間子原子核への展開について

	などについて議論する予定である。

現在予定されているプログラム:
(これは暫定版ですので、変更される可能性があります)

(座長:根村)
 9:25- 9:30 根村英克(理研)	開始のあいさつ
 9:30-10:05 伊藤誠(理研)	軽い中性子過剰核とハイパー核における分子的構造
10:05-10:40 肥山詠美子(奈良女)	Three- and four-body structure of hypernuclei

10:40-11:00 				休憩

(座長:小濱)
11:00-11:35 土手昭伸(KEK)	K原子核の研究において必要なこと
11:35-12:10 田村裕和(東北大)	ハイパー核精密分光が拓く物理

12:10-13:30 				昼食

13:30-15:00 	<<<理研仁科センター月例コロキウム>>>

15:00-15:30 				休憩

(座長:山本)
15:30-16:05 根村英克		ストレンジ少数系の精密計算による研究
16:05-16:40 石井理修(筑波大)	The nuclear force from lattice QCD

16:40-17:00 				休憩

(座長:小池)
17:00-17:35 赤石義紀(日大)	ハイパー核・中性子過剰核・ケイオン核
				を繋ぐ一つのエキゾティクス
17:35-18:00 伊藤誠		全体のまとめ

※講演時間は、一人当り(25分講演+10分質疑)を予定しております。


	

世話人一同
(板垣直之、伊藤誠、小池貴久、小濱洋央、
根村英克、肥山詠美子、松本琢磨、山上雅之)


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連絡先/問い合わせ先
理化学研究所 仁科加速器研究センター 岩崎先端中間子研究室
根村英克
tel: 048-467-9355
e-mail: nemura  @  riken.jp
web: http://ag.riken.jp/nemura/070717RIBFminiWS/


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