原子核中にπ中間子を埋め込む! | |
Physics |
一般的に、原子核は陽子と中性子(核子)のみから出来ている。
それ意外では、Λ粒子を持つ原子核が人為的に
つくり出され研究されて来ました(ハイパー核)。
Λ粒子は3つのクォークからなる、重粒子(バリオン)と呼ばれる
核子の仲間です。
それでは、クォークと反クォークからなる
中間子は原子核の構成粒子とは成り得ないのでしょうか?
一般に、π中間子は湯川以来、原子核内で核子を
つなげる糊の役割を果たすものとして知られ、そのために原子核近傍に
π中間子がくるとすぐに解けてなくなると信じられて来ました。ところが、
事はそう単純ではありませんでした。
我々のGSIでの実験で、π中間子は、原子核の中にも存在しうることが
見い出されました。また、s波で斥力的なので、安定に存在します。
上の図は、どのようにしてπ中間子を原子核中に埋め込んだのかを示した 模式図です。重水素(水素の同位体)を